月になって/syrup16g
彼から返信はすぐきた。
おしごと終わりにすぐに返信してくれた。
短文だったけれど、
きっと精一杯しぼりだしたことばだったんだとおもう内容だった。
彼とはこのライブで初めてお会いした。
ライブ終演後、居酒屋2軒ハシゴして、
朝方まで始発を待って、
しらんでいく空を眺めながら
たくさんいろんな話を、した。
次は日光に連れていってくれる、って話してくれた。
それから20日後、
わたしは彼を映画に誘ったよ。
新宿109で、怪物を観てきた。
ティザーを見る限り、怖いシーンが多々ありそうでひとりで観るのが怖かったから、
お誘いしたのだけど、
わざわざ遠いところから、
来てくれたんだ。
ロープウェイに乗って、
駄々こねて観覧車にも乗った。
チキンやろうなわたしは高所恐怖症だから、
観覧車がてっぺんから降りてきたあたりで、
彼に"膝をお借りしてもよろしいでしょうか?"
と、
彼の膝を掴ませてもらった。
わたしの膝に乗せた手に、
ご自分の手を乗せてくださったので、
握り返しました。
"安全バーだと思って、
つかまってもよいですよ。"と、
彼が左腕を出してきてくれました。
わたしは、彼の腕に
ありがとうございます。と言い、
掴まりました。
……もー!!我慢がならねえ!!!
"くるしい。"とわたしが言い、
もう我慢できません。
と言い、
"ずっと◯◯さんの猫になりたいと思っていました。"
"つまり、すきです"、と
観覧車で告白をいたしました。
彼は黙ってわたしの肩をポンポンなだめてくれました。
しばらく沈黙が続いたので、
"迷惑ですか?"と訊いたら、
"迷惑だったら、ここまで来てないよ?"
と仰いました。
わたしは、彼からきたる、水曜日に、
おはなしを受けます。
なんのおはなしか、わからないです。
でも、思い出があたたかいのはきっと、ずっと、
変わらないだろうけど、
悲しくなってしまうような、事態には、
ならないと、いいな。
彼と行った、大谷観音。
彼の車はぎょどん仕様で
この子そっくりなのですよ。
なんだか、想い出をたくさんたくさん、
並べたい気分です。
彼に送った贈り物とお手紙、
ちゃんと受け取ってくれた。
わたしは、あさってまで
身が千切れる思いで、
あーだこーだ、と心配をします。
きょーも眠れないな。
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